ファクタリングのターゲットになる売掛金の意味とメリット

ファクタリングの対象となる売掛金とは

ファクタリングの対象となる売掛金とは

企業や個人事業主がファクタリングを利用する場合に、メインターゲットとなるのが売掛金です。
売掛金は売掛債権などとも呼ばれます。
売掛とは、日常用語でわかりやすく言えば、ツケ払いのことです。
商品を購入した時点やサービスの提供を受けた時点で支払うのではなく、後日支払う約束を交わすものです。
売掛債権は取引先に掛け払いで販売した際の請求権のことで、売掛金はその未収金を指します。

売掛が利用される理由と売掛金の例

売掛の対局にあるのは都度払いや現金払いです。
資金繰りに影響を与えないよう、現金払いを基本にする企業やお店も中にはありますが、企業間取引においては現金払いのみでは、なかなか取引がしにくいケースが多いものです。
たとえば、小売店を例にとる場合、大量の商品を仕入れても、客に売らない限りは収入は得られません。
売れた後で支払いをしたほうが、仕入れる側としてはタイミングが良いわけです。
掛け払いで買いたいニーズが高いことから、売り手もそれに応じてきた慣習があります。
また、企業間取引においては継続的に取引されることも少なくありません。
飲食店に毎週、食材を納める、貸しおしぼりを毎日納めるといった場合に毎日支払いをしていくのはお互いに面倒です。
そこで、1ヶ月まとめた金額を翌月払いにするなど、売掛取引が便利な側面があります。

売掛金をファクタリングする理由

売掛取引をすることで取引した企業は仕入れた品やサービスを利用しながらも、支払いを猶予されるメリットが生まれます。
販売した企業は売りやすくなり、継続的な取引ができる一方で、代金の回収が遅くなるのがデメリットです。
そこで、売掛金をファクタリングして、支払期日が来る前に現金化を図るのです。
もっとも、ファクタリングには手数料がかかります。
たとえば、2ヶ月後に支払期日が来る100万円の売掛金を手数料15%でファクタリングすれば、企業が受け取るのは85万円です。
2ヶ月待てば取引先から100万円受け取れるのに、急いだばかりに15万円も損失が出ます。
それでも、企業がファクタリングを利用する理由はどこにあるのでしょうか。
企業がファクタリングを利用するメリットは何なのか、確認していきましょう。

・未回収となるリスクを防ぐ

売掛のスパンが長くなるほど、不確実性は高まります。
売ったときは調子が良かった企業やお店でも、時の経過とともに売上が落ちることや災害や感染症の蔓延、市場の急速な悪化などの外部要因や企業内でのトラブルや消費者からの信頼失墜、取引先の倒産などの内部要因によって、売掛先の経営悪化や倒産リスクが生じることもあります。
ノンリコースのファクタリングを行えば、売掛先の経営悪化や倒産リスクによる不払いリスクをファクタリング会社に移転することが可能です。

・自社の資金繰り悪化や倒産リスクの回避

仲卸業者など、卸売業者から大量に仕入れては小売店に販売しているような場合に、小売店が閉店して売り先がなくなったり、経営悪化で仕入れ数を減らされて在庫を抱えたり、小売店が倒産して売掛金が回収できなくなると困ります。
卸売業者への支払いが困難となり、最悪の場合、倒産の危機にも陥りかねません。
企業において取引先の経営悪化や市場環境の悪化、事業の失敗などによって資金繰りが悪化した場合に、手持ちの売掛金を現金化できれば、自社の倒産リスクを回避でき、卸売業者など仕入れ先との信頼関係も維持できます。

・資金ニーズが生じた際に借金せずに済む

これから値上がりしそうな商品を今買っておきたい、今のタイミングで不動産を買っておきたい、事業を拡大するための資金が欲しいといったポジティブな理由から、借入金の返済資金がないといったネガティブな事情まで、資金ニーズが生じても手元に現金がない場合どうすれば良いでしょうか。
銀行などから借りる方法が一つですが、事業計画書を提出して審査を受けるなど時間がかかり、今すぐ現金が必要なニーズに間に合いません。
借入金の返済のための借入は自転車操業になって首を締めるだけなので、避けたいものです。
そもそも、借入金の返済資金もない状態では銀行の審査に通らない可能性があります。
そんなときでも、ファクタリングなら手持ちの売掛金を売却することで、すぐに現金が手に入ります。
特に売掛先が優良企業や経営状態の良いお店で、まだ先の支払期日でも支払ってくれる確実性が高いと判断されるほど、ファクタリング会社の審査スピードも速く、最短即日で現金化できるケースも少なくありません。
自社の経営状態が思わしくなく、融資が受けられない企業であっても、優良な売掛金があれば、現金がすぐに手に入るのです。
しかも、借入金とは異なり、利息を付けて返済する必要もなく、資金繰りを悪化させる心配もありません。
それどころか、資金繰りが改善できるのです。

まとめ

売掛金とは商品やサービスを提供した時点ではなく、先延ばしで支払うことを約束した売上金で、企業間取引ではよく利用されています。
ファクタリングで売掛金を売却することで、支払期日前に現金化できるメリットが生まれます。

あわせて読みたい