ファクタリングと融資の大きな差

ファクタリングと融資の違いとは
目次
ファクタリングと融資の違いとは
ファクタリングと融資はまったく違う金融サービスのため、仕組みや違いをよく理解して使うことが大切です。
両者がどう違うのか、その特徴や理由を見ていきましょう。
返済の有無
融資は金融機関や貸金業者などに申し込みをし、審査を経てお金を貸してもらうサービスです。
当然ながら、借りたお金は利息を付けて返済しなくてはなりません。
貸付条件にもよりますが、毎月一定額ずつ返済する、約束した返済日までに利息を含めて一括払いするなど、債務者としての返済義務を果たすことが求められます。
もし、返済期限に間に合わなければ、延滞利息や遅延損害金を追加請求される場合や期限の利益を失って元利金全額を直ちに返済しなければならなくなるペナルティを負わされます。
返済が遅れれば、ハガキや電話などで督促を受け、返済ができなくなれば、保証人への求償をされたり、担保に入れた物件を競売にかけられたりして、事業の継続も難しくなり、破綻して倒産するリスクもあるのが融資の怖さです。
これに対して、ファクタリングはお金を借りるわけではないので、利息も発生しなければ、返済義務も負いません。
取引先に対して保有している売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、現金化できるサービスです。
債権譲渡をしてすぐに現金化できるサービスと、取引先が倒産して債権回収が不能となった場合にファクタリング会社から支払いが受けられる保証ファクタリングといった方法などがあります。
融資における利息の支払いの代わりに、ファクタリング会社へ手数料の支払いは必要ですが、返済義務はないので、執拗な督促に遭う心配はありません。
ファクタリング会社による債権回収の対象はあくまでも取引先であり、ファクタリングを依頼した会社が求償されることや財産を競売にかけられる心配もありません。
融資の場合、返せなくなれば、自社が倒産するリスクがありますが、ファクタリングの場合はファクタリングをすることで取引先の経営悪化による連鎖倒産のリスクから解放されるのも大きな違いです。
審査の対象の違い
融資の場合、借入の申し込みをした企業が銀行などの金融機関や貸金業者、保証会社などの審査を受けなくてはなりません。
創業からの年数が短く実績がない場合や経営状態が悪い場合、すでに多額の借入がある場合など、審査が通らず、新たな融資を受けられない場合もあります。
特に銀行は中小企業に対して厳しく、貸し渋りで悩む企業は多いです。
審査に通るために、手間をかけて銀行を納得させる事業計画書を作成する場合や銀行の担当者から企業訪問を受けて調査をされるケースもあります。
貸金業者の場合は、審査の方法は銀行ほど厳しくなく、貸付が受けられる場合も多いものの、その代わりとして代表取締役個人が連帯保証することを求めることや個人や会社が所有する不動産や機械設備などの事業用資産を担保に入れるよう求めることが少なくありません。
これに対して、ファクタリングでは、審査を受ける対象は申し込んだ会社ではなく、売掛債権の支払い義務を持つ取引先です。
ファクタリング会社は売掛債権の回収不能リスクを調査して、引き受けの有無を決めることや引受額や手数料額を審査しています。
売掛債権を後日、丸々、取引先から支払いを受けるより、手数料の分、回収額は減ります。
ですが、期日より前倒しで現金化できるので、その分、割り引かれるのは当然のことであり、大きな損失となるわけではありません。
保証人や担保の有無
融資の場合、銀行でも貸金業者でも保証人を立てることや担保を差し入れるよう求められることもあります。
もし、会社の経営が悪化して返済が困難となれば、会社が倒産するだけでなく、連帯保証人となった代表取締役への求償や担保物件が競売にかけられるリスクもあるのです。
代表取締役は会社を失って多額の借金を抱えるだけでなく、個人の資産も手放さざるを得なくなり、マイホームやマイカー、別荘などの個人所有物を売却して求償に応えなくてはならなくなります。
家族の生活にも大きな影響が及び、離婚したり、子供が進学をあきらめたりと、家族離散の危機に陥ることも少なくありません。
知人や親族に保証人になってもらった場合などは、知人や親族にも迷惑をかけ、他人の家族の人生まで大きく狂わせてしまうリスクもあります。
会社の所有する工場や設備、事業用資産なども競売にかけられてしまえば、事業再建の道も閉ざされ、人生が大きく変わってしまうリスクもあるのです。
これに対してファクタリングは保証人を立てることや担保を差し入れる必要もなく、支払いをすべきは、あくまでも売掛金を抱えている取引先です。
まとめ
ファクタリングは融資とは異なり、利息を付けて返す必要もなく、自社が厳しい審査を受ける必要もありません。
保証人を立てることや担保も不要で、保有している売掛債権を前倒しで現金化することができます。